イノベーティブな旅行体験を創り上げていくために。 | CSO 越島悠介

イノベーティブな旅行体験を創り上げていくために。 | COO 越島悠介

目次

 

生後2ヶ月で渡米〜CEO 木地貴雄との出会い

──人生の半分をアメリカで過ごしているようですが、どのような幼少時代を過ごしてきたんでしょうか。

越島悠介(以下、越島)
僕は、金沢で生まれてすぐ、父親の転勤でアメリカへ移住しました。
ポートランド → ロサンゼルス → サンフランシスコ → 葉山 → ニューヨーク、そして今。
これまで、アメリカと日本で生きてきました。

小学2年生から中学2年生までの間は、神奈川県の逗子市と葉山町で暮らしていました。
アメリカから帰国した小学2年生時は、物心がついてから初めての日本で。
小学校へ通い始めた時は、色んなことに困惑しました。

ある日、授業中に先生から「外に出てくださ〜い!」と言われ、何が始まるのかと思いながらグラウンドに出ると、突如、顔面にボールをぶつけられたんです…。
直後、「今の顔に当たったからナシ〜!」とみんなに言われたのですが、「いやいや、、ナシじゃねぇよ。めっちゃ当たってるし。」と怒ったことを覚えています。

これが話に聞いたジャパニーズいじめかと思いました。笑

後に、それがドッジボールだったと分かったのですが、そういうカルチャーショックはいくつかありました。笑

 

──それは、なかなかの衝撃ですね…笑 その後、日本での暮らしはどうでしたか。

越島
周囲に少しずつ馴染めていったと思います。
みんな受け入れてくれて。
非常に楽しい小学生時代を過ごしていたのですが、逗子の小学校から葉山の小学校に転校した後の一学期間が地獄でした。

ちょっと、やんちゃな学校で、なかなか受け入れてもらえず…。

その時のクラスに居たのがTRASTAのCEO、木地貴雄(以降、貴雄)。
男同士ってよくあると思うんですが、色々あっても大喧嘩すると次の日から一転マブダチになってる、みたいな。
まさしくそれで、幼ながらに「このままじゃダメだ」と思って、大喧嘩したら、次の日から貴雄とマブダチになってました。笑
それからというもの、小学校・中学校と、貴雄と楽しく過ごしました。

そういう関係だった僕と貴雄が、今になって、「あぁでもない、こうでもない」と本気で事業を作り上げていこうとしているのは、どこか感慨深いものがありますね。

 

荒療治で習得した「Think outside the box」。アメリカ最高峰の美術大学で得た学び。

荒療治で習得した「Think outside the box」。アメリカ最高峰の美術大学で得た学び。

──アメリカ最高峰の美術大学を卒業されていますね。大学での様々な学びを通して、どういったことを得ましたか。

越島
大学は【美術大学のハーバード】と呼ばれているRhode Island School of Design(ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)へ進学しました。

そこでは、何かを作る上での技術的な細かいテクニックも教わりますが、それよりもっと上流の、思考方法を学べたことが、大きな収穫だと感じています。
以下の3つが得られたことです。

  1. 「真のデザイン思考とは何か」
  2. 「組織のブレーンであれ」
  3. 「既成概念を常に壊そうとする姿勢」

1.「真のデザイン思考とは何か」
昨今、「デザイン思考」が方法論として出回っていて、アメリカでは、ビジネススクールでもデザイン思考が重要視されています。
本来は、デザイナーの思考プロセスをデザイナー以外がやるために作られた手法で、それ自体はとてもいいものだと思うのですが、手法ではなく、マインドセットとしてデザイン思考を持たせてくれたことは良かった点だと思っています。
既存のものを観察し分析して、それを分解し再定義するというようなことがナチュラルにできる脳みそを創ってもらえたことが、グラフィックやプロダクトだけでなく、事業やビジネス、サービスをデザインしていく上で、今でもかなり重宝してると感じます。

2.「組織のブレーンであれ」
これは、あるレベル以上のアメリカの教育の根本にある考え方だと思うんですが、大学に入って早々「君たちはブレーンになる人間だ」と言われるんです。

ロゴが作れる。絵が描ける。

そういったものは、それをやるのが上手い、その道の人がすればいいこと。
「君たちのやるべき仕事は、そういった人々が目指す先を作り出し、導くことだ」という考え方を最初から持たせてもらって、尊重してもらえて。
とても貴重な経験だったなと感じています。

3.「既成概念を常に壊そうとする姿勢」
これについては大学1年の時の経験が非常に活きてると思います。
初回の授業で教授から突然、「君たちが今、『絵』だと思うものを描いてきなさい。」と言われました。
その初回授業は、それで終わり…。
「『絵』って…?」と思いながら、その前の学期に高評価をもらった「絵」を描いて次の授業に臨みました。

教授は、教室内に貼り巡らされた学生全員の「絵」を見ていきながら、「こんなものは『絵』じゃない」と次々に破ってゴミ箱に捨てていったのです…。
僕含め、学生全員が唖然としました。

そして、破り捨てられた直後だというのに、「今から君たちが『絵』だと思うものをもう一度描きなさい」と言われました。

何を描けばいいのか分からないまま皆が少しづつ筆を走らせ、少し「絵」らしくなってきた頃…教授から「手を止めろ」と言われました。

次の指示は、「今描いてるそれを半分に破って、右隣の人に渡しなさい」。
そうして、僕も左隣の人から半分に破られた絵を受け取りました。

「その2つの半分の絵を貼り合わせて1つの『絵』にしなさい」。

目の前で「絵」を破られ、否定され、更に「絵」を自分の手で破らされ…。
入り交じる怒りと困惑の感情を抱えたまま、「絵」に「絵」を重ねました。

僕が進学したのは、アメリカ最高峰の美術大学です。
才能と自信のある学生が集っている中で、先生が伝えたかったのは、「既成概念を作ってしまった瞬間からそれ以上の進化は起こらない」ということでした。
受かっただけで天狗になっていた学生も居たでしょうし、自分はすでにアーティストとして高いレベルにあると思っていた人も多かったと思います。
しかし、そう思った時点で成長は止まるということを伝えてくれたのだと思います。

そして、絵は四角いキャンバスの上に収まっていなくてはならないものという既成概念も無理やり壊されました。
その荒治療にも近い教育のお陰で「Think outside the box」ができるようになったと思っています。

これらの経験が事業を作る上でや新しいものを生み出す際に、非常に役に立っているように感じます。

 

「壊す」のでなく「守る」ために、文化のリ・デザインをしていきたい。

「壊す」のでなく「守る」ために、文化のリ・デザインをしていきたい。

──TRASTAでは、どういった業務を行っていますか。

越島
ジョインして最初に行おうと思ったことが3つあります。

  • ビジョン・ミッション・バリューの定義
  • コミュニケーションやナレッジの蓄積など組織の基盤作りと文化形成
  • 事業がフローとして回っている、良好なユニットエコノミクスの構築

TRASTAは、前身がBIJという会社で2018年現在で13期目です。
当初行っていた事業からピボットを重ねた末の今のホテル事業だったので、会社が掲げているメッセージがあまり役立っておらず、会社の信念が彷徨っていて、事業を考える拠り所が無い状態でした。

会社を創り上げていく上で、最重要と言っても過言でない部分が、全く整備されていなかったので、今の会社、今の事業、今のメンバーにマッチするものを、じっくり作り上げていきました。
そのおかげで、人事や広報のやりやすさが生まれたと思いますし、目指すべき未来も描けるようになったかなと思います。

それと、僕は新規事業開発も任されています。
これまでは、市場に関する情報のインプットや、事業の理解に時間を費やしてきました。
知れば知るほど、観光産業で勝つことの難しさを痛感しますが、ようやく「勝ち筋」が見えてきたと思うのでエンジニアも積極採用し、仕掛けていく準備ができてきたかなと思っています。

 

──『Redesign Culture 〜温故知新、文化をリデザインする〜』。このミッションを叶えるために何を考えていますか。

──『Redesign Culture 〜温故知新、文化をリデザインする〜』。このミッションを叶えるために何を考えていますか。

越島
『Tourism Innovation 〜観光産業に革新を起こす〜』

このビジョンを達成するためには、
『Redesign Culture 〜温故知新、文化をリデザインする〜』
というミッションの達成が、今後非常に大事な要素になるだろうと考えています。
日本をどう世界に魅せていくか。
世界で戦っていくにしても、それぞれの土地の文化をどうリ・デザインして魅力溢れるものにしていくかということは、イノベーションには欠かせない取り組みだと思っています。

そのため今は、TRASTAで企画・運営していくホテルのブランド化を重要視しています。

「高級旅館の体験をお手頃に」のコンセプトを掲げる和のホテル『住亭(すてい)』と、
「特定文化の凝縮」をテーマにしている『STAY(ステイ)』。

ホテルが建つ現地に根付く、古き良きものを、どうリ・デザインしていくか。
そのリ・デザインも既存文化を「壊す」ためのものでなく、「守る」ためのものという感覚で挑戦しています。

 

TRASTAに圧倒的に足りなかった「守」の取り組みで成功確率を最大化していきたい。

TRASTAに圧倒的に足りなかった「守」の取り組みで成功確率を最大化していきたい。

──TRASTAはここ1年の間に、社員数は倍以上の約30名まで増加。驚くべきスピードで成長していますね。

越島
TRASTAという会社の印象は、「走」、「攻」がとてつもなく強い「超速攻スタイル」。

独立してたった1年で6名だった社員が30名になり、オフィスも渋谷の小さい1フロアから新しくできる国立競技場を見渡せる北参道の新築のビルを2フロアも借りれるレベルまで、驚くべきスピードで成長していますが、それゆえにこれまでは戦略を練りきらず、見切り発車する側面も感じていました。
今までは、それが強みなのかもしれませんが、今後もそれを続けることは大きなリスクだと思いました。

僕自身も「やっちゃおう!」という速攻タイプです。だからこれまで、2度も起業してきたんだと思います。
しかし、この会社にとって、僕が一度立ち止まって「守」の姿勢でいることが大事だという確信のもと、アクセルを踏み込む前に「本当にこの道でいいのか」を問うようにしています。

事業において、本当に勝てる「道」ってとても細いと思うんです。
入り口を5°間違えただけで、到着地点もかなり異なります。
入り口5°の間違いを取り戻すためのピポッドにも、かなりの時間とコストがかかってしまいます。
その誤差をどれだけ事前に見抜けるか。

入り口で考えられるだけ考え抜いて、「勝てそう」という戦略を自信持って描けたら、思いっきりアクセルを踏み込む。
踏み込んだときの爆進力は、「超速攻スタイル」のTRASTAには既に備わっています。

入り口の誤差を減らすこと、走り出したあとの軌道の調整。
それが僕に課された大事な仕事だと思っています。

 

5年後、10年後、この会社を一桁大きいものにできるかどうか

5年後、10年後、この会社を一桁大きいものにできるかどうか

──『Tourism Innovation 〜観光産業に革新を起こす〜』。このビジョンに向けてどんなことに取り組んでいくのでしょうか。

越島
短期的な目標だと、来年のIPOを見据えた企業価値の最大化。
そして5年後、10年後の会社の規模を1桁大きなものに出来るか否かは、今、創るものに懸っていると思うので、そういうものの芽をどう咲かせられるか。
そこに対して、どれだけの結果を残していけるかが勝負だと考えています。

加えて、本当の意味でのイノベーションも必要です。
旅行の良さ、楽しさとは、「美味しいものを食べる」、「綺麗な景色を見る」、「異文化に触れる」と、たくさんあります。
しかし、その体験に辿り着くまでに手間なことや不便だとみんなが気づいていないことってたくさんあるはずなんです。
それらが一つ一つ改善された先に、「TRASTAの創り出した旅行体験の全体像」が存在します。

そのTRASTAの創った未来の旅行体験の全体像が、今とは全く異なるものになっている。

それが出来てようやく本当の意味でのイノベーションと言えるのではないでしょうか。

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